社長ブログ
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納期遵守率を上げる為の取組み(その1)

time2020.04.29
納期遵守率を上げる為の取組み(その1)

私は80年代後半にIT業界に入りました。最初に入社したのは、金融系のシステム開発を手掛けているSIerでした。業界に入って驚いたのは、業界全体の納期遵守率の低さでした。請負で開発を進めていたにも関わらず、納期が怪しくなりクライアントから常駐を命じられ、結局、納期を守れず夜逃げしたベンダを見た事もあります。日経コンピュータの調査によると、2003年の納期遵守率は54.9%、2008年は54.6%、そして、2018年は72.3%でした。納期遵守率は上がっているものの、やはり、100%からは、ほど遠いようです。100%は難しいにしても、もう少し何とかならないものかと思ってしまいます。

納期を遵守する為に何が必要か?ですが、最初にくるのは、見積りの精度を上げる事、だと思います。例えば、10人月のプロジェクトを、間違えて8人月で見積り、エンジニア2人、工期4ヶ月で臨むと、1ヶ月遅れてしまう訳です。当社では、見積りを担当した者とは別の者が工数の妥当性をチェックするようにしています。経験がものをいうので、チェックするのは実務経験10年以上のエンジニアです。パートナーの見積りに対しても、同様のチェックを行います。工数が少ないと思えば、少ないから増やして下さい、と言います。見て見ぬふりをして、できると言いましたよね、と言って少ない工数で無理やり押し込むような事はしません。

2番目にくるのは、人選です。見積った工数で作業をこなすスキルを持っているか、きちんと判断する必要があります。経験値が少ないエンジニアをアサインする場合、作業量を1.0人月分ではなく0.8人月分にする等の調整も必要です。一人一人のスキルを吟味せず、頭数だけそろえているプロジェクトでは、成功もおぼつかないものです。

3番目は、精度の高い見積り工数を基に、きちんとスケジュールに落とし込む事です。担当者一人一人の日々の目標を明確にする事は非常に重要だと思います。日々の目標が明確であれば、後は粛々と進めれば、予定通りゴールにたどり着く筈です。

4番目は、過負荷にならないように注意する事です。当社は各プロジェクトで誰が何人月アサインされているか、1ヶ月当たり各エンジニアが何人月分の作業をしているかをアサイン表で管理しています。もちろん、1人1ヶ月当たり1.0人月の作業になるように心がけています。また、エンジニアに工数見積り等、開発以外の業務を依頼する事もあります。これらの作業量を細かく管理するのは難しいので、今週、AさんはB案件の開発と見込案件Cの見積りに関わっていると言ったレベルですが、いくつのタスクに関わっているかを個人別タスク管理表で把握するようにしています。

<続く・・・・>

石躍

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